フィンランドGTP参加者体験談 立命館大学3年 仙波颯人 ~教育を熱く話すことのできる仲間がほしいなら~ vol.1
こんにちは。GTPブログ担当の工藤(通称:たけ)です?
今回は新企画「フィンランドGTP参加者体験談」です?
これまで「セブGTP参加者体験談」は多く掲載させていただいていますが、フィンランドGTP参加者による体験談は初です。
今回の参加者体験談でご紹介するのは立命館大学3年(参加当時、現4年生)仙波颯人(せんば はやと)さんです。
体験談を紹介する前に、まずはじめに
この体験談のオススメの読み方
を紹介します。
① スマホやパソコンをスクロールして本文に出てくる「⭐️の部分」をざっと読む。
② 「⭐️の部分」の自分なりの答えを頭に思い浮かべる?
③ 本文を熟読する。
※なんなら、「⭐️の部分」を書き出して、自分なりの答えもあれやこれや書いてみることを激しくオススメします!
この手順通りに進めて読むと
脳味噌に心地よい汗
が流れます。そして、
教育って、深いなあ。面白いなあ。
って改めて思うのではないかと思います。
そして、、、
そんな感情を抱いた皆さんは、体験談を書いてくださった仙波さんと、きっと、
仲良くなれる
と思います(笑)。
なぜなら仙波さんは本文でこのようなことを言っているんです。
そもそも教育ってなんだろう?ということや、子どもたちのことについて話をする仲間は少なかった。
教員免許を得るためだけに、効率の良い単位の取り方を話し合う仲間よりも、教育に対し真摯に情熱的に取り組んでいる仲間が欲しいと感じていました。
そんな仲間がほしいと感じている皆さん。是非、最後まで読んでいただけたら幸いです!
おっと、その前に。
スクロールして「⭐️の部分」をざっと確認ください!!
1、なぜフィンランドGTPへの参加を決めたのですか?
皆さんこんにちは。立命館大学の仙波颯人です。フィンランドGTP3rdに参加してきました。中高の数学の教員免許を持っていて、来年から中学校で働くことになりました。
大学3年の前期。
⭐️ 私のやりたいことは教師なのか?
⭐️ 自分は一体何がしたいんだ?
そう迷っている中でのGTPとの出会いでした。
そもそも私と教育との出会いは、高校3年の頃に遡ります。
当時、進学希望は防衛大学校、将来の夢は航空自衛官の戦闘機パイロットというバリバリの体育会系でした。
そんな私は、防衛大の試験科目の身体検査で「ちゃんと検査したほうがいい」と告げられます。
後日、病院に行くと
「1型糖尿病」であることが発覚
しました。
防衛大にいくことができなくなった私は、ひどく落ち込みましたが、そこから立ち直ることができたのは、周りの人のサポートがあったからでした。
そこで私は、
人と助け合ったり、学び合ったりすることって素敵だ。教師になってこの素晴らしさや大切さを伝えたい!
と思うようになりました。
そこからは専ら、ピアサポート活動(仲間同士で助け合う活動のこと)に取り組みました。
大学2年では大学の課外活動の一環、で新入生の大学生活を支援する団体に所属し、新入生とともに充実した日々を送ることができました。
(仙波さんがピアサポート団体で団長を務めていた時の1枚)
そして大学3年になり、悩み続ける日々がやってきます。
周りの友人はインターンを始めたし、私はというと、
⭐️ 教師になるにおいてインターン行ったほうがいいのかなあ?でも特に行きたいところないなあ。
と思っていました。
でも、何かしたいと強く思った私は、2つのことを始めました。
1つ目に、
教職発展科目
という、「別に取らなくても教員免許はもらえるけど、学びたい人は是非」というような講義を履修すること。
2つ目に、大学の図書館にある
教職に関する本を片っ端から読んでみること
この2つを同時に始めたことが、GTPと出会わせてくれました。
教職発展科目の講義の中で、フィンランドのことが少し扱われている時に、ちょうど私はフィンランドの教育に関する本を読んでいました。
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その時に、「フィンランドってどんな国なんだろう??」と興味を持つようになりました。
しかし、本を読んだり先生の話を聞いたりしても、曖昧で、
⭐️ 一体、フィンランドでどんな教育がされているか?
はあまりわかりませんでした。
もっともっと調べて知りたいと思い、調べていたら「フィンランドGTP」のことが出てきました。
忘れもしないのですが、大学の授業中にそのホームページを発見した時に、隣に座っていた友人に「こんなのがある!」と話をしたら、その僕の友達とひらしんさん(GTP代表:平岡慎也)が知り合いという奇跡。
あー、これは運命だ!
そう感じました。
そして、私にはもう1つほしいものがありました。
それは教員免許を取るための単位などではなく、
教育に関して熱く話すことのできる仲間
でした。
教職発展科目を受講していた学生の中に、教採のための勉強をたくさんしていて、ものすごく教採に詳しい学生がいたのですが、私は「それって本当に意味あるのかな?」と思っていました。
教採では、「人格の完成」とか「ロールシャッハテスト」とか難しい単語ばかり使われていて、私はそれよりも対話を通して、
教育の本質について考えることが大切だ
と感じました。
そして周りを見渡してみると、教採に受かることだけを見据え勉強している人は多いけど、
⭐️ そもそも教育ってなんだろう?ということや、子どもたちのことについて話をする仲間は少なかった。
教員免許を得るためだけに、効率の良い単位の取り方を話し合う仲間よりも、教育に対し真摯に情熱的に取り組んでいる仲間が欲しいと感じていました。
その時にフィンランドGTPに出会い、「これに参加すればそんな仲間がいるのではないか?」「迷っている私に刺激をくれる仲間に出会えるのではないか?」そう確信し、フィンランドGTPへの参加を決めました。
2、フィンランドGTPに実際に参加してみてどうでしたか?
⓪フィンランドに行く前
仲間たちの
教育への熱量は私の遥か上をいくもの
でした。笑
こんなにも学ぶ意欲の高い人たちがいるなんて…
⭐️ え、フィンランドで学校の先生?
⭐️ LGBT?聞いたことはあるけど…
⭐️ 頭髪検査に疑問を持ってるの?なんで?今のままじゃダメなの?
⭐️ ん?環境教育って言葉、初めて聞いたな。。。
知らないことばかり。刺激ばかり。
フィンランドに出発する1ヶ月前は週に3、4回のペースでzoomをしていました。
自主的にzoomを立てて、
⭐️ 制服と私服について
⭐️ 「学び合い」について
⭐️ 発達障害について
たくさんのことを学びました。
あれ、これフィンランド教育を学びに行くんだよな…??
そんなことを思ってしまうくらい、参加する前から教育や自分自身のことについて話す、刺激ばかりの毎日でした。
特に「〇〇タイム」と称して、
モチベーショングラフを用いて自分の過去や価値観を語るzoom
は最高でした。
私は自分が持っている病気のことや、中高でどんな学生だったか、そして今は「学び合い」に興味を持っているということを話しましたが、批判的に捉える空気感がとても温かく居心地の良い場所になりました。
(せんばさんが毎回の食事毎に使用する1型糖尿病の注射と血糖測定器。測定器に関しては食事前に針で1滴血を採取し、血糖値を測るのだとか。)
そして、フィンランドにて初めて会った日。
お〜、久しぶり(?)というような挨拶からはじまり、そこからは怒涛の8日間でした。
①フィンランドの教育と日本の教育。それぞれのよさ。
フィンランドの教育現場をみてきて強く感じたこと。
それは、
1人1人の「できない」に対して「できる」ようにするための環境ができている
ということ。
学級には子どもたちが自由に椅子を選べたり、イヤーマフ(騒音をカットでき聴覚過敏に対処するためにも使われる)をつけることができたりと日本とは全然違う環境で驚きました。
① 子どもたちに選択肢を与えることで、
② 子どもたち自身が「どんな環境なら集中できるのだろう?」と判断し、
③ 最終的に「自分ってどうすれば幸せになれるんだろう?」という疑問に対して、自ら判断ができる
のかなと感じました。
(せんばさんがフィンランドの小学校での行った授業実践です。)
これだけ聞くと、日本の教育も全てフィンランドの教育に変えてしまったほうがいい!と思うかもしれません。(フィンランドに行ってこの目で見るまでは、私もそう思ってました…)
しかし、日本の教育にもたくさんいいところがありました。
強く感じたことは、
礼儀、掃除、マナー
といったところです。
フィンランドの学校でのお昼ご飯は、ビュッフェ形式のものが多かったのですが、
⭐️ なんで自分でとったメニューをこんなに残す??
って思ったり。
土足厳禁の教室に入る時、
⭐️ なんでこんなに靴並べない??
って思ったり。
廊下で子どもたちに会って「Moi~~!(こんにちは〜!)」って声をかけても、
⭐️ なんでこんなに挨拶しないの??
った思ったり。
そういった面では、日本の教育は社会に出てから大切なことをしっかり教えることができているんだなと実感しました。
②教師だけじゃない。社会全体が教育に目を向けている。
もう1つ、私がフィンランドで驚いたエピソードを紹介します。
フィンランドについた初日、親睦会も兼ねて仲間たちとともに近くのレストランに食事をしに行った時のことです。
?♀️ウェイターさん
フィンランドなんてマイナーな国にどうしてきたの??
?私たち
フィンランドの教育現場を見にきたんです!
?♀️ウェイターさん
あ、そうなのね!確かに海外から見ると魅力的みたいね。
?私たち
フィンランドの教育のいいところってどんなところですか?
?♀️ウェイターさん
お金がかからないことかなあ。でもその分税金は高いけどね。あとは、育児のために休みやすいところかしら…。
このような会話がなされたのです。
今考えたら、こんな無茶振りの話に仕事の手を止めて付き合ってくれたウェイターさんに感謝だなあ。笑
とあるレストランのいちウェイターさんが、ここまでフィンランドの政策を知っていて、ここまで話すことができるってすごいことだなと感じました。
もしかしたら、たまたま教育に興味のある方に私たちが話しかけてしまったのかもしれませんが、それでも日本よりも
社会全体で教育のことを考えている印象
を受けました。
私自身、日本の教育は勉強しているけど、政治や環境問題や経済のことなど、まだまだ知らないことや知っておかなければいけないことはたくさんあるなと感じました。
そして、それを子供たちに還元しなければいけないなと思います。
(フィンランドGTPメンバーで作ったかまくらです。)
3、フィンランドGTPを終えて、これからどうしていきたいですか?
①教育キャンプを開催する
私はフィンランドGTPを通して、教育の本質を考え、真剣に向き合っている仲間たちと出会うことができました。
フィンランドGTPのようなコミュニティが各地域に存在したら、どんなに素敵なことか。
そんな話をフィンランドの行き道を歩きながら、ちかちゃん(フィンランドGTP代表)と話していました。(この瞬間は一生忘れないと思います!)
そして、これまで2か所かで既に開催してきました!
すると、思ったよりも自分と同じように、教育に対して熱い人たちは各地にいて、これからもいろいろな場所で開催できたら、面白い人たちとたくさん繋がれるなとワクワクしています。
②あったかい先生になる
フィンランドってどんな国?って聞かれたら、「あたたかい国」と答えます。
あったかいと思ったのは、多様な価値観が認められ、個人個人に寄り添える環境が整っているからです。
自分の幸せに寄り添ってくれる先生
そんな先生になれたら、これから出会うまだ見ぬ生徒たちは幸せな人生を歩めるのではないかなという理想を掲げています。
しかし、
⭐️ 今の日本の教育の中で「個々に寄り添う」って、どこまでできるのだろう?
と考えるようになりました。
そこで、私は
「自分の幸せを判断できる力」を身につけられるような先生
になりたいと思っています。
⭐️ 自分の幸せってなんだろう?
⭐️ 相手の幸せってなんだろう?
⭐️ 今、幸せなのは何をすることだろう?
⭐️ 未来を見据えて幸せになるにはどうすればいいだろう?
自分と相手。今と未来。
そこに向き合って考え続けることが、幸せへの第一歩なのかなと考えています。
③考えること
私はGTPに参加する前は、
物事に対して「なぜ?」という感情
はあまり浮かばない生活でした。
⭐️ なぜ教師になりたいのだろう?
⭐️ なぜ校則ってあるのだろう?
⭐️ この行事の目的は何?
⭐️ 勉強ってなんでするの??
あまり何も考えず、親のため、教師のために勉強も頑張ってきたような感じがします。
そういう考え方なのはなぜかを考えると、やっぱり「考える」っていうことの魅力よりも、「大変」「きつい」って思いがあるのだと思います。
GTPに参加したあとは、仲間たちがその魅力や楽しさをたくさん教えてくれました。
当たり前を見直し、新しいアイディアを考えていく。
そして、お互いの価値観を交換して、新たにアップデートする。
自分がどんどん成長している気がして楽しいです。
⭐️ 教師になったら、視野が狭くなる?
⭐️ そんな中で教育キャンプ開催できるのかなあ
⭐️ 理想と現実のギャップに苦しみそう…
今はたくさんの楽しみの中で、たくさんの不安もあります。
でも、迷った時は
⭐️ 自分にとっての幸せってなんだろう?
という自分の理想に立ち返り、
自分に、そして子どもたちに問い、そこに向き合うことができれば良いなと思っています。
いかがだったでしょうか?
このブログのはじめに、
⭐️の部分を読んでから、本文を読んでみてください
と書きました。
それはなぜかというと、仙波さんの文章のまとめには
私はGTPに参加する前は、物事に対して「なぜ?」という感情はあまり浮かばない生活でした。
と書かれていて、
もし皆さんが仙波さんのGTP参加前と同じように、物事に対して「なぜ?」という感情が浮かばない生活を送られているとするならば、少しでも、
⭐️の部分=「なぜ?」という疑問の感情
を一緒に共有して欲しかったからです。
私も仙波さんの文章に触発されて考えてみました。
⭐️ そもそも「職員室」って何のためにあるの??
です。
私は最近、週に何回か学校に勤めているのですが、学校の会議でちょっとした小競り合いがあったんですね。
「でも、ちょっと待てよ?」と考えました。
フィンランドの学校の職員室のように、
(フィンランドの学校の職員室。日本の学校の職員室からは少し想像ができません。)
このような環境だったら、果たして小競り合いは起っていたのだろうか?建設的な意見がなされていたのではないか?とシュミレーションしたりしてみました。
詳しい内容は書けないのですが、職員室内もしくは学校内での先生同士のコミュニケーションの取り方だったり、合意形成の仕方ってもっとやり方があるなあと考えてみました。
「何のために職員室があるのか?」はこれからも、もう少し深ぼっていきたいと思います。
ちょっとした疑問を自分に問いかけてみるところから、世界は広がっていくかもしれません!!
仙波さんの想いが綴られているnoteはこちらから
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