教員採用試験合格体験談 vol.2 ~小論文も面接も、全ての道は現場に通ず~
教員採用試験合格体験談 vol.2 ~小論文も面接も、全ての道は現場に通ず~
こんにちは。GTPブログ担当の工藤(通称:たけ)です。
「留学×教育実習」のこのプログラムでは、参加して改めて教師の魅力に気づき、教師になる人も少なくありません。そこで今回は教員採用試験合格体験談vol2です。
突然ですが、皆さんは、
小論文は得意ですか?
面接は得意ですか?
今回、ご紹介する首藤祥野先生も大学4年生の採用試験前、小論文も面接も得意ではなかったそうです。
ふと、こんな言葉が思い浮かびました。
「頭の中にあるうちは、なんだって傑作なんだって。お前はその中から出られないんだ」
「10点でも20点でも自分の中から出しなよ。そうしないと、点数さえつかないんだよ」
グサっとくる言葉です。
これは映画「何者」のセリフで、就活をテーマにした若者の葛藤や人間模様が描かれた映画です。原作は小説です。
頭の中ではイメージはできてる。でも、いざ言葉にしようとすると、うまく言葉にできない。「もしかして、試験で頭真っ白になったらどうしよう」と心配になる人もいるかもしれません。
さて、今回はそんな教員採用試験の合否を大きく左右するであろう、「小論文」「面接」のお話です。
首藤先生はどのように小論文や面接の対策をし、克服していったのでしょうか?どうぞお読みください。
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こんにちは!5th batch参加の首藤祥野です。
諸事情により初海外に1人で挑み、拙い英語で授業をしました。(本来は参加者20名前後のプログラムですが、日程等が合わず、単身で参加されました。)昼はメンターと、夜はLINEでサポメンと相談しながら授業を考えた2週間が遠い昔のようです。
そんなGTPからはや1年が経ち、今は小学校の、教員をしています。
①教採体験談
私は東京都の採用試験を大学推薦枠で受験しました。一次試験が「専門教養、小論文」、二次試験が「集団討論、個人面接」でした。
東京都は大学推薦になると、一次試験の教職教養が免除になります。有利とまでは言えませんが、部活動を続けていた私にとってはありがたい制度でした。
部活動に所属していたこともあり、3年の3月から本格的に受験勉強を始め、5月半ばからは有志の面接練習にも参加しました。私は長い期間集中して勉強できるタイプではないので、この約半年間という期間が合っていました!
私は、一次試験の小論文、二次試験の個人面接が得意ではありませんでした。理由は一言で言うと経験不足です。大学時代、中身のないレポートを書き続け、人前であまり話すことがなかった私は、気づけば教員採用試験の合格からは程遠い所にいました。
そのため、同期や先輩方とも協力して練習を重ねました。また、教授だけでなく、ボランティア先の先生にも指導をしていただき、自信をつけました。
私の場合は、偶然ボランティアで通っていた小学校の先生から指導を受けることができました。周りには実習校の校長先生から指導を受けた友達もいました。快く引き受けてくださる先生は多いので、学校現場とつながりを持っておくと良いと思います。
本番は緊張もありましたが、様々な応答を想定していた甲斐もあり、合格することができました。
②皆さんへのアドバイス
一次試験の小論文では、「自分の癖を知る、テンプレートを用意しておく」ことが大切です。
「書く→添削」を繰り返し、自分の文章を癖を知りましょう。私の場合は、①「〜こと」や「〜という」の多様、②一文が長い、の2点を4月の論文指導で指摘されました。そこからは、毎日癖を意識して、論文練習に取り組みました。「1日1段落を10分で!」などの目標を立てると続き安いと思います。単純ですが、無意識の癖を直すだけで小論文が見違えました。
私が用意したテンプレートは「構成と、具体策」です。
構成については大学等で指導される字数や展開の仕方を身に付けておけば十分だと思います。
具体策は、一朝一夕には浮かびません。良い小論文を参考にしたり、書いてみたものに指導を受けたりして、質を高めていきましょう。小論文指導を受ける際に、毎回一部は似たような内容で書いていくのがコツです。
二次試験へ向けては、受験者、面接官、記録の3役に分かれて練習を重ねました。本番通り通してみたあと、即座にフィードバックをもらいました。何度も繰り返すうちに、7月ごろの面接指導でようやくお褒めの言葉をいただけました。
そこで学んだポイントは「根拠=知識×経験」です。
「なぜ?」を問われた時に、根拠が思いや経験だけでは頼りないです。かと言って、知識だけに偏ると機械的な応答になり、相手には響きません。「学校のきまりだからダメ!」と子どもに指導するようなものです。
例えば、東京都の志望理由の一つにオリンピック・パラリンピック教育の充実をあげたとすると、私なら、以下のように伝えます。
「スポーツへの関わり方はする・見る・支える・知るの4つがあるが、外国の方々と実際に街中で会ったり、身近にボランティアをしている人がいたりするのは東京だからこそだ。また、私自身、学生時代の部活動でスタッフとしてチームに関わった経験を活かし、する・見る・知るだけでなく、支える良さや楽しさを子どもたちにも伝えていきたい。」
このように、「知識×経験」で語ると説得力が高まります。
また、当たり前と思われるかもしれませんが、表情や声色にも気を使うと印象が良くなります。
ただ、これが難しい…私は面接練習が本格化した6月ごろに、院生の先輩の真似をして、ボイスメモで自分の面接の様子を録音してみました。すると、びっくりするくらい頼りない自分の姿がありました。あまりに恥ずかしくて聞いていられなかったのですが、たまにやってみることをお勧めします。
「読みやすい文章」
「説得力」
「明るい雰囲気」
ここまで、教採のハウツーのようなものを書きましたが、これらの力は採用後にも自分の財産になります。
子どもは時によって面接官より残酷です。私が子ども達の前で話している時に感じることがあります。
「よく分かんないけど話しが長いなと思っているんだろうな。。」
「この子、注意されてもひびかないな。。」
「この子、つまらなそうにしているな。」
今振り返ると、面接官の反応は子どもの反応と重なる部分があります。面接の練習の時は友達や指導の先生がアドバイス(フィードバック)をしてくれます。
しかし、子どもの前にたつと、教師自身が課題に気づき、解決していかなくてはいけません。その課題を見つけることも大変ですし、解決していくことはもっと大変です。
今でも自分の授業を録音したりビデオを撮ったりしていますが、それはこの時のことが生かされています。もちろん、上手くいかないことも多々ありますが、自分にできる範囲の改善を日々重ねたおかげで、子ども達と楽しい日々を過ごせています!
教採の勉強さえも力にしようという貪欲さがきっと1年後のあなたを救います。
最後に、個人的な意見ですが、私は「教員採用試験は個性を『存分に発揮する場所』」ではないと考えています。
小論文や集団討論、個人面接で奇をてらう必要も、自分の信念を過度にアピールする必要もないと思います。決して「自己主張するな!」ではありません。ただし、試験で問われているのは、教師としてあるべき資質・品格です。評価される以上は好き嫌いがありますので、行き過ぎるとリスクが高いです。
一例ですが、「算数科の学習を通して子どもたちの自分で考えるを高めたい!」と強く主張したとしても「他の教科は二の次なのか?」「算数が大嫌いな子はどうするのか?」等、突っ込みどころは満載です。
「授業を通して、自分で考える力を高めたい。その中でも自分が専門としてきた算数に力を入れたい。」や、具体例の中で「例えば、算数では…」とするくらいがちょうど良いと思います。
私自身、練習の際に友達から突っ込まれ、返答がたじたじになってしまったり、ついムキになって反論めいた事を言ってしまったたりした経験があります。そうなるとどっちに転んでも印象は良くありません。
「教師なって○○がしたい!」という思いを高めるのと同時に、それが空回りにならないように言葉を選びましょう。そして、試験で語り尽くせない熱い思いは、現場に出てから存分に発揮しましょう!
偉そうに語りましたが、あくまでも一個人の一意見です。受験する自治体に合わせて、残りの時間を有効活用してください。少しでも皆さんの参考に、そして勇気づけになれば幸いです。
まとめると、首藤先生は大学4年生の頃、
1)小論文や面接が得意ではなかった。
2)小論文、面接対策は工夫をしながら(先生方に見てもらったり、三役に分かれて練習したり、時にはボイスレコーダーに自分の声を取ったりして!)何度も繰り返し練習した。
3)見事、東京都小学校教員として採用!
4)現場で子ども達の反応は"時に残酷"と感じる。
5)「読みやすい文章」「説得力」「明るい雰囲気」が大切だという採用試験での学びを思い出し、日々、改善。
6)子ども達と楽しい日々を過ごしている。
という流れになるかと思います。
私も13年間中高の教員をしていましたが、そういえば若い頃、帰りの会でいい話ができなくて毎回落ち込んでいましたし、学級通信を書こうとして、職員室の机で数時間過ごして100文字も進んでいないことも多々ありました。
今年度は教育実習を実施できない人も多くいると思います。現場での経験を重ねられず、悶々と試験勉強を続ける日々の人も多いかもしれません。
しかし、
小論文も面接も、全ての道は現場に通ず
です。
今、頑張っていることが教壇に立った時に生かされることを信じて「教員採用試験のためだけ」と思わず、教員になるべく自己研鑽と思い、日々の勉強に励んでいただきたいなと思います。
首藤先生ありがとうございました!今後の活躍を応援しています!
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