教員採用試験 面接対策 ~陥りやすい7つの失敗パターン~
こんにちは。GTPブログ担当の工藤(通称:たけ)です。
今回は教員採用試験における面接対策の特集です。
これまで多くの学生の方の面接対策のお手伝いをしてきた経験と私自身の10数年の教員経験から、面接対策をしていく上で、陥りやすいポイントを7つにまとめました。
面接対策を始めてみて
「ある程度準備ができたけど、このままで大丈夫かな?」
と感じている方にぜひ読んで頂きたい記事です。
タイトルが「失敗パターン」なだけに、若干説教っぽくなっています。ご容赦ください!
心構え!
「失敗パターン」を紹介する前に、教員採用試験を受ける心構えとしてお話ししておきたいことがあります。
それは、
彼を知り、己を知れば百戦危うからず
中国の思想家、孫子の言葉です。
これは非常に大切なマインドセットだと思います。
ここでいう「彼」とは
「各自治体の教育委員会がどのような人材を求めているのか」
「己」は
「彼を踏まえた上で私はどのように貢献できるのか」
です。
これが合致していれば、受からないはずがありません。
逆に言うとこれが合致していないと受かるものも受かりません。
当たり前の思考かもしれませんが、試験対策を進めていく中で、これがブレたり、見失ってしまうことはままあります。
ぜひ、試験対策で迷ったときには、この基本に立ち返って、彼が何者で、己が何者なのかをよくよく考えてみることをオススメします。
失敗パターン1:面接準備はこのくらいで大丈夫だろうと思っていませんか?
大きく分けて、面接準備には3つの段階があると思っています。
1)情報収集&書き込み期
友達や大学、本やサイト等、面接の質問をまずは情報収集すると思います。
次にその質問を見て、「自分だったらこのように答えるだろう」と考え始めるのではないかと思います。
そして、パソコンで入力するなり、ノートに書いていくのではないかと思います。
2)アウトプット期
ある程度、面接の質問が集まって、自分なりの答えがそれなりに用意できたら次の段階です。
・自分でぶつぶつと言ってみたり、空で言えるかどうか試してみる。
・友達同士で質問をしあう。
・大学の先生に相談する。
というところだと思います。おそらく、このあたりで一旦、
満足する人が出てくるのではないか
と思います。
近年、教員採用試験の倍率も下がり、このくらいの準備で合格もできるかとは思います。
ただ、その答えに対する、
「一歩突っ込まれた質問」をされて答えられるでしょうか?
また、数多くの面接のアドバイスをしてきて感じることは、言葉の選び方や話し方のメリハリなどから、
「本当にわかって答えているのかな?」
と感じることがあります。
案の定、「具体的には?」や「本当にそう思ってる?」と聞くと
「いや、具体的に聞かれるとそこまでわかりません。」「自分でも何か少し違うと思います。」という答えが返ってきます。
言語情報で伝わるのはたったの7%で、非言語で伝わるのは93%というデータもあります。
言葉にせずとも、声のトーン、仕草や視線等で、この面接に対してどのくらい準備してきたのかが面接官には伝わってしまうものです。
簡単に言うと、何度も何度も練習することに尽きると思うのですが、その中で、
何となく言葉にしている1つ1つの意味をあやふやにしないこと
です。
自分で話してみて、うまく言えていないと感じるところは、相手にももちろん伝わりません。
何度も練習をする中で、
?「違和感」を敏感に感じ、その違和感を突き詰めて言語化していく?
ことをオススメします。
3)調整期
違和感を無くしていって、流暢に言えるようになれば8~9割完成です。理想としては、1週間前に調整期に入っておきたいところです。
ここまで準備をしてきた人でも、
雰囲気にのまれて100%発揮できない
ことがあるかもしれません。
実際、面接練習のお付き合いしていると、最初の5〜10分間は緊張していて、うまく話せなかったけれど、徐々に落ち着いていって、しっかりと伝えることができるようになる人がいます。
実際の面接はそうはいきません。ようやく慣れてきたと思ったら面接時間が終わってしまいます。
本番を意識して練習したいところです。
目上の人に面接官をしてもらったり、それが難しければ、時間を制限したり、本番と同じ服装で挑む等、
本番に近い形
での練習をおすすめします。
100%発揮できていない場合、
早口になってしまう
傾向があります。
また、
上手く話そうとして、自分に意識がいってしまう
のも特徴です。
?面接官の人に聞いてもらいたい、伝えたい?
と意識のベクトルを逆にすることが必要です。
失敗パターン2:各自治体の理想を知らずに挑もうとしていませんか?
面接の練習を繰り返していくと、
「何でこんな質問するのかな?」
と気になってくる瞬間があると思います。
各自治体の試験には特徴があります。
例えば、英会話が必須な2次試験もありますし、必ず「インクルーシブ教育」について聞かれるという自治体もあります。面接が1回のところもあれば、複数回行われることもあります。
?意図は何??
と考えることがとても大切です。
質問の裏には必ず
目的
があります。
さらにその先には、その自治体が掲げている
理想
があるはずです。
少し面接の練習を始めて、「何でこのような質問するのかな?」と思い始めた時に再度、
?各自治体の「求める教師像」や「教育理念」を読むこと?
をおすすめします。
面接練習に取り組み始めた時と比べ、グッと理解が深まり、求められている答えに近づくと思います。
失敗パターン3:理想論や抽象論だけで話そうとしていませんか?
面接の答えは、1つの質問に対して、およそ1分程度で話を準備しているではないかと思います。
理想論や抽象的な話だけで、具体的な話がない場合、
面接官にとっては、
「本当にわかって言っていることなのかな?」
という印象を与えます。
例えば、「どのような学級経営をしていきたいですか?」という問いに対して、
・みんながチャレンジができるような学級経営
・みんなが楽しいと思えるような学級経営
・みんなが仲良く、安心していられるような学級経営
答えはどれも正しいです。それをいかに
具体的に、現場の実態に沿って
答えられるかが必要です。
「現場の実態に沿って」といっても、なかなか、現場を想像することは難しいことだと思います。
いまいち、具体的に思い浮かばない人は
?5W1Hで分解して、考えてみること?
をオススメします。
例えば、「みんながチャレンジができるような学級経営」を例にとってみると、
WHAT 何をチャレンジするのか
WHO 誰がチャレンジをするのか
WHEN どんなタイミングでチャレンジするのか
WHERE どんな場面でのチャレンジなのか
WHICH どちらの方がより良いチャレンジなのか
HOW どうやって、どのようなチャレンジをするのか
というような感じです。
勉強のチャレンジと、行事のチャレンジは違いますし、
勉強ができる子どもと勉強ができない子どものチャレンジは違います。
4月のスタートでできるチャレンジと3月のチャレンジは違います。
私が現役の教員だった時、毎日学級通信を配布していました。毎日配布することで気づいたことがあります。それは、
毎日毎日その日ごとに、子ども達1人1人に、チャレンジが違う
ということです。
体育祭1か月前には、これからどのような目標を持ってチャレンジを始めるかを書きますし、
体育祭2週間前には、上手くいかない時にチャレンジを続けるのかどうかを書きます。
体育祭前日には、最後まで諦めないことでチャレンジすることの大切さを書きました。
その間にも、運動が得意な子とそうではない子にもそれぞれ役割があって、チャレンジをしあえる大切さを書きますし、
体育祭で負けた次の日には、心を整理して、次のチャレンジへ向かう大切さを書きます。
そのように具体的に考えをまとめていくと、
あなたが大切にしたいチャレンジが見えてくる
のではないかと思います。
「理想論や抽象論ではなく、具体的に実際の現場でどれだけの指導力があるか?」が問われます。
ただし、具体的に話をし始めると、1つの受け答えが3~5分になってしまう可能性があります。ポイントを絞って答えていきたいところです。
うまく1分程度に抽象的な話と具体的な話をまとめられるのが理想ですが、うまくまとめられない場合は抽象的な話だけになってしまっても仕方がないかもしれません。
もう少し深く聞きたい場合は、面接官が具体的に聞いてくれますし、例え抽象的なだけをしたとしても、具体的なことも考えている場合、表情や雰囲気で伝わるものです。
失敗パターン4:自分の意見を出しすぎていませんか?
多くの人は問題ないと思います。ただ、1部の人は要注意です。
特にこれまで大学生活の中で、学内外問わず教育に関して、
活発に活動してきた人やより深く学んできた人
は注意が必要かもしれません。
学校を運営する側からすると、どれだけ優秀でも、どれだけ仕事ができても、過度な思想や協調性がないと思われる人とでは運営していくのに難しくなるからです。
ある学生さんは「志望動機」を考えるのに非常に苦労していました。
「中学校の時の先生が教え方が上手くなかったからです。もっとうまい教え方があると考えていくうちに教員を志すようになりました。」
彼の中で非常に強い動機として残っているそうです。そんな彼は「授業」に対して強いこだわりを持って、大学生活も過ごしていました。嘘偽りのない彼の答えでしたが、それをそのまま言うわけにはいきません。
教育のことを一生懸命考える人ほど、日本の教育や学校教育の問題点が多く出てきて、それを解決したい!
という思いは強くなります。
?学校を批判的に言ってしまったり、一方的な側面だけで言ってしまったりしていないか?
をチェックしてみてください。
授業をするのが上手くなることだけが、教員ではありません。
不登校の問題を解決することだけが、教員ではありません。
学校改革することだけが、教員ではありません。
ましてや、部活動の指導をすることだけが、教員ではありません。
教育公務員は「全体の奉仕者」であり、学校教育は子ども達の1人1人の大切な命を預かっています。
教員が1人前になるのに多くの年月がかかります。教員としての基礎・基本があり、その上で個性が表現できることだと思います。
失敗パターン5:友達同士だけで対策していませんか?
友達同士で対策をすることは大いにやるべきだと思います。しかし、友達同士だけで対策してしまうと陥りやすいなと思ったことを2つあげたいと思います。
1)友達同士の噂話は慎重に。
「面接どうだった?」と私が聞くと、
「圧迫面接でした。」
面接終了後に、たまに聞く話です。
それは本当に圧迫面接だったのでしょうか?
よくよく聞いてみると、突っ込まれて聞かれただけで、そこまで圧迫面接ではなかったことがわかります。
受験者心理として、そんなに深く聞かれたら困る。
ということはわかりますが、圧迫面接というのが1人歩きしていては本質は見えてきません。
ここまで読まれてきてお分かりかと思いますが、「本当に理解しているのかな?本当にしっかり考えているのかな?」というところが本質のように思います。
圧迫面接=恐い、嫌だ
ではなく、
?圧迫面接=「深く教育のこと、学校・教員のことを理解しているか」を具体的に聞かれるから、そのための対策をしておこう?
という考え方の方が健全な気がします。
中には本当に、圧迫面接というか、「なんでそんな質問するの?」というものもあるかもしれませんが、極々一部です。
2)答えがゼロヒャクになってない?
このような質問がありました。
「情報漏洩をしようとしている先輩がいたらどうしますか?」
これに対して、ある人の答えは、
「たとえ先輩であろうと情報漏洩はいけないことなので、その先輩にきちんと伝えます。」
この答えも間違いないと思いますが、少々、先輩に対して角が立ちます。
情報漏洩に関しては原因があります。
学校現場には多種多様な情報が存在します。保管の仕方や取り扱いのルールが曖昧であったりします。先輩の認識も低いのかもしれませんが、仕事が多岐に渡り、大変忙しいのが実態です。例えば、その先生は保育園にすぐに子どもを迎えにいかなければいかない状況がだったかもしれません。
だからと言って、それで情報漏洩が許されるということでは絶対ありませんし、その先輩が許されるわけではありません。
勧善懲悪ではなく、現実論に沿った答えが望まれます。
友達同士だけで、進めていると、答えが正しいは正しいけれど、0か100か、善か悪か、理想論すぎたりする可能性があります。
現実的な対応ができる人かどうかが求められます。
失敗パターン6:知らないと答えられない問題を疎かにしていませんか?
答えにくい質問に関してはどうしても後回しにしがちです。
自分自身のことに関してや教員の資質に関する質問は比較的用意がし安いです。前提となる経験をまとめていけば答えられます。
また、質問の内容が少しひねられたとしても、その面接の場で対応がある程度は可能です。
しかし、教育時事や場面指導等、
前提となる知識や経験がないと答えられない質問
はそうはいきません。あらかじめ、調べておく必要があります。
1回くらいは「勉強不足でした。すみません!」で大きく評価を下げてしまうことはないかもしれませんが、答えられない質問が何度も続いてしまうと印象はよくないですよね。
失敗パターン7:とは言え、自分の意見を大切にしていますか?
無難に答える方法はわかっているけれど、自分の本当の意見を出せずに歯がゆい
面接の練習を学生さんと共にしていて、そんな感想をよく聞きました。
面接の場面では
建前と本音が交錯
します。
例えば、
「『どうして勉強しなくてはいけないのですか?』と子どもに質問されたときにどう答えますか?」
という面接での問いに
「『勉強なんてしなくてもいい。』と答えます。なぜなら~」
もし、そんな入り方の答えをするのは、よっぽど「なぜなら~」の後にそれをひっくり返すような答えを用意していない限り、面接の場合においては得策とは言えません。
数10年前の話ですが、私自身も大学生の頃、教育実習の初日に中学2年生のヤンチャな男の子から言われた言葉を今でも覚えています。
「勉強って必要っすかー!?」と。
私はとっさに、
「そんなもん。必要じゃない!!」
と答えていました。
これが最適な答えだったとは思いません。
ですが、「勉強は必要だよ。」と答えて、「つまんない奴だなー。」と最初の出会いで思われるよりは、そちらの答えを選びました。
その子にしっかりと伝えられたわけではありませんが、その子にとって、勉強のイミが狭義の意味で感じているのではないかと感じ、勉強や学びはもっと広い意味で捉えて欲しかったという思いも裏にはありました。
また、面接では次のような質問もあります。
「宿題は必要だと思いますか?」
いかがでしょうか?
こちらの質問でも、「宿題は必要ないと思います。なぜなら〜」という入り方の答えは得策とは言えません。
しかし、本当に「宿題は必要なのか?」を考え抜いた時に、宿題は本当に必要ないのかもしれません。そのような研究成果もありますし、宿題を出さずに成果をあげている国もあります。
「重要な面接」ですが、「されど面接」だとも思います。
現場はもっと臨場感があります。答えはその都度変わっていきます。
変化の激しい世の中で、教育を変えていく必要に迫られています。現場で声をあげて、慣れ親しんだ教育手法から脱却するには、これからの教育を背負っていく、皆さんのような若い力が必要だと私は思っています。
受かりやすい答え方、無難な答え方
というのも面接では確かに存在すると思います。
しかし、あなたの理想があって、あなたの個性があると思います。
面接ではそのように答えるけれど、
面接では答えられない確固たる信念も大切にしてほしい
と私は思います。
✨ピカッと光るあなたの個性も大切にしてほしい✨
と思っています。
教員採用試験面接対策 まとめ
長くなりました。最後にまとめます。
心構え!
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」です。「彼」とは「各自治体の教育委員会がどのような人材を求めているのか」で、「己」は「彼を踏まえた上で私はどのように貢献できるのか」です。これが合致していれば、受からないはずがありません!
失敗パターン1:面接準備はこのくらいで大丈夫だろうと思っていませんか?
「自分でぶつぶつと言ってみたり、空で言えるかどうか試してみる。」「友達同士で質問をしあう。「大学の先生に相談する。」ここで満足せずに、さらにもう一歩!何度も口にして練習していく中で、「違和感」を敏感に感じ、その違和感を突き詰めて言語化していってください!
本番が近づいてきたら、できる限り本番に近い状態で練習を。ベクトルを変えて「面接官の人に聞いてもらいたい、伝えたい!」という意識で!
失敗パターン2:各自治体の理想を知らずに挑もうとしていませんか?
質問の意図を考えましょう。面接の練習を始めた時だけでなく、再度、各自治体の「求める教師像」や「教育理念」を読むと理解が深まります。
失敗パターン3:理想論や抽象論だけで話そうとしていませんか?
理想論だけでなく、現場の実態に沿って答えましょう。5W1Hで分解して、考えてみるとあなたが大切にしたい具体的なことが見えてきます。
失敗パターン4:自分の意見を出しすぎていませんか?
学校を批判的に、一方的な側面だけで言ってしまったりしていないかをチェック!
失敗パターン5:友達同士だけで対策していませんか?
友達同士の対策は大いにして下さい!噂話はほどほどに。学生同士のゼロヒャクな意見には注意!
失敗パターン6:知らないと答えられない問題を疎かにしていませんか?
教育時事や場面指導等、前提となる知識や経験がないと答えられない質問にもしっかり向き合い準備しましょう。
失敗パターン7:とは言え、自分の意見を大切にしていますか?
自分の本当の意見ではなく、歯痒い思いをしている人もいるはず!「重要な面接」ですが「されど面接」ピカッと光る✨あなたの個性も大切にしてください!変化の激しい世の中で、これからの教育を変えていけるのは若い皆さんの力です。あなたのオリジナルな教育への信念を大切にしてください?
応援しています!!!
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