現役大学生でも合格できる!青年海外協力隊(教育関係)合格体験談 vol.1
今回は新企画。青年海外協力隊合格体験談です。
GTPの過去参加者の中にも、キャリアのステップとして、青年海外協力隊を志望し、採用された方が数名います。
日本で学校の先生や教育関係の仕事に就く前に、もっと何か違う経験をしたい!!
という方も結構いるのではないかと思います。
そのような方に向けて、今回、昨年度、青年海外協力隊として派遣が決まった大和一輝(やまと かずき)さんに合格体験談を書いていただきました。
以下に書かれていることは主に3つです。
1)学生時代、主に何をしていたか?
2)なぜ協力隊を志望したか?
3)青年海外協力隊合格体験談
です。
1)は、
大学卒業後、青年海外協力隊も選択肢の1つと考えていたり、協力隊を目指していて今から何をしておけばいいのか考えている方
2)は、
そろそろキャリアの決断の時期で、応募しようかどうか検討している方
3)は、
協力隊の応募を決めて、具体的に対策を考えている方
に役立つ記事となっています。
ちなみに、上の写真を見て、
「あれ?どこかで見たことある?!」
と思われた方もいるのではないでしょうか?
この大和一輝さんGTP界隈では有名な方でして(内輪ネタですみません。)、GTPのHPのトップページの写真になっている方です(2020年6月26日現在)。
GTPの歴史の中でも、ベストショット5には入るのではないかと個人的に思っています(笑)!
本当に笑顔が素敵で、この笑顔を持ってすれば、
一発で、子ども達が楽しく学べる雰囲気
を作り出すことができます!
ということで、最後までお付き合いください!
1)学生時代、主に何をしていたか
こんにちは、青年海外協力隊2020年度1次隊候補生の大和一輝です。
GTPには4th batchに参加者として、5th batchにサポーターとして携わっていました。
今回の記事は「協力隊もアリかな?」と、考えている人に向けて執筆させていただきました。少し長いですが、どうぞ最後までお付き合いください!
学生時代、と言っても4年間のやってきたことを全て書くことはできないので、青年海外協力隊の応募に繋がった活動と、間接的に応募に関わっていた活動の2つに分けて書いてみました。
①青年海外協力隊の応募に直結した活動
アルバイトの塾講師
大学入学してすぐ始めたアルバイトが塾講師でした。この頃は教員だけを目指しており、指導経験を積めたらいいなと、手探りしながら2年間小中学生に算数や英語を教えていました。
NPO法人Learning for Allでの学習支援活動
大学2年の夏から半年間、子どもの貧困解決を目指して活動するNPO法人Learning for Allで学習支援ボランティアをしていました。日本にある教育格差や相対的貧困の実態をこの時初めて知り、学習とキャリア支援を通して少しでも格差を無くせるよう活動していました。
Global Teacher Programの海外教育実習
大学3年の夏にGTPに参加しました。現地の子ども達に何ができるか、何を残せるかを考えながら授業を届けました。GTPをきっかけに海外の学校に興味を持ち始め、いつか海外の学校で先生になってみたいと思うようになりました。
僕自身ずっと卒業後の進路に高校教員を目指していたこともあり、「学生教師として子ども達に関わる活動ができたら、将来何か役立つかもしれない!」と考えて3つの活動をしていました。あくまで理想とする教員になるための活動で、協力隊になるためにしていた活動ではありませんでした。
(Learning for All指導時)
②青年海外協力隊の応募に間接的に関わった活動
講演会やイベントを主催
学生団体や企業のチームに所属し、芸能人や政治家、企業の社長さんをお招きしてイベントを開催していました。毎回生き方やキャリア形成について考えさせられ、ここでの繋がりが新しい挑戦のきっかけをたくさん生んでくれました。
キャリア教育スクールで受講生のメンター
大学2年次の1年間、3rd Class(社会で活躍する力を身につける教室)で、受講生を経てメンターを務めていました。お客さん100人の前で夢をプレゼンする機会があり、大学卒業後自分は何がしたいのかをこの時期はめちゃくちゃ考えていました。
バックパッカー旅
長期休みには国内ヒッチハイクや海外バックパッカー旅をしていました。単純にやってみたかったからです。旅を通して、人との繋がりが人生を彩る感覚を実感値として学び、多様な価値観や考えに触れることができました。
小学校でボランティア
協力隊候補生に決まってから、バヌアツ共和国(派遣予定国)へ旅立つ前に日本の学校教育を学びたいと思い、地元の小学校に直接お願いしてボランティアをさせてもらいました。この経験は、今現在の仕事に繋がっています。
総じて、「教育」をキーワードにいろいろ取り組んでいました。いろいろな大学生や社会人の方に出会ったことで、キャリアに対する考え方や価値観を身につけていった学生時代でした。
同じコミュニティに長く居続けなかったのは、新たな出会いと挑戦の機会を失わないためです。居心地の良い安心空間にいるとどうしても気を許してダラけてしまう性格なので、慣れてきたらあえてコミュニティを離れ、次の一歩を踏み出すことを4年間貫きました。
(バックパッカー旅での1コマです。)
③そもそもなんでこんなことしていた?
わざわざしなくてもいい学外の活動をしてきたのは、まっすぐ教員を目指すことに違和感があったからです。授業を受けて教育実習を頑張れば教員免許は取得できるし、教採を通過すれば教員になることはできます。でも社会人の方々と出会って多様な価値観に触れる度に、
「本当にそれで自分はなりたい教員になれるのか?」
「もっと社会に出ていろんな経験を積んだほうがいいのではないのか?」
と考えてしまい、ストレートで先生になることにモヤモヤを感じていました。そこでまずは、学生のうちにできることをできるだけ経験してみて、それからどの道に進むかを決めることにしました。
結果的に気づいたのは
「自分は学校の外からではなく、教員として子ども達に関わりたい」
という気持ちでした。準備や指導段階で辛いことがめちゃめちゃあっても、最後に子ども達が成長する様子を見ていると、もっと突き詰めて教員としてやってみたいなって思いました。
日本全体の教育を変えるアプローチをするより、身近な大人である教員として子ども達の成長に携わりたいことに4年間で気づき、キャリアのどこかで教員をやりたいなと今は考えています。
僕は逆算してキャリア設計するタイプよりかは、今の積み上げ積み上げで人生を形成していくタイプだと思っていて、興味のあることをやっていった結果、今回の協力隊の応募に至りました。
協力隊に求められる具体的な資格や経験等を知りたい方は、JICA海外協力隊ウェブサイトに載っている要請内容を一度見てみてください。職種ごとに詳しく書いてあります。たぶん僕の学生時代の経験談はその点では参考になっていない気がする(笑)ので、読んでみることオススメします!
2)なぜ青年海外協力隊を志望したか
①志望理由
協力隊に応募したきっかけは「途上国の貧困問題や教育格差を解決したい」想いではなく、「魅力的な教員になるための知見や経験を得たい」と考えたからです。
協力隊の活動では、2年間の異文化生活を体験しながら海外の学校教育に当事者として関わり、また熱量を持った多種多様な同期隊員と交流を図ることができます。
さらには訓練や生活のサポートをする制度や待遇が整っていて、全てを踏まえて考えた時に協力隊に挑戦しない理由がありませんでした。
もちろん、日本で教員経験をしてから協力隊を目指す選択肢もありましたが、「鉄は熱いうちに打て」です。
5年後・10年後には自分を取り巻く環境や社会情勢は大きく変化している可能性がありますし、そうなった時に今と同じ熱量を持てるかどうかは分かりません。今年のように、協力隊活動ができない状況にだってなっているかもしれません。
未来を正確に予想できないからこそ、今やりたいことがあったら今すぐやるマインドを持つようにしています。
「今、協力隊になってみたい!」
僕が新卒で教員ではなく、協力隊を目指した理由はそこにあります。
どちらにせよ、教員を続けるキャリアだけでは得られない知見や経験が協力隊活動には詰まっていると考えていて、教員になった時にもこの2年間の経験は活きてくる気がしています。
自分の経験から気づいた学びを伝えていける教員になるために、少し遠回りをしてでも協力隊になる選択は価値があると思って志望しました。
②応募するか迷った事柄
ただ葛藤したのは、
「国際協力やボランティアは自分のためでいいのか?」
という疑問でした。相手が抱える課題を知って一緒に解決を目指していく活動だからこそ、自分のために活動をしていいのかどうか、踏み台にしてキャリアステップを目指していいのかどうかに悩んでいました。
でも現地の課題や現状は、現地に行ってみなければ全くわかりません。まだ日本にいる今「その国の教育を変えたい」と思うのは、「相手のため」を免罪符にした自己満足やエゴでしかないと思っています。
両者のバランスをとり、途上国の教育の質向上やその他求められるものに応じて柔軟に活動をしていくためにも、自分と相手の2軸を持って協力隊を志望するようにしました。
3)青年海外協力隊合格体験記
①どんなことをしたかの流れ
協力隊の選考は春と秋の年2回あり、主に書類選考と2回の面接で合否が判定されます。
ちなみに僕は2019年の春募集で応募しました。ざっくり応募から合格までの流れを書くと、こんな感じです。
〜3/12 | GTP5thでセブ島滞在 |
3/24 | 協力隊説明会、応募決断 |
4/3 | 春応募締め切り |
5月中旬 | 書類選考合否 |
6月中旬 | 面接 |
7月中旬 | 面接選考合否 |
協力隊を目指したのは、春募集の締め切り10日前の3月24日でした。
それまでは就活するか教採受けるか決めかねていたのですが、直前に開かれた協力隊の説明会で「これだ!!」と直感でピンときて、急いで書類の準備を始めました。応募を検討する時期としては遅かったと思います。
本来は信頼できる人に文章の添削やアドバイスを頂きたかったのですが、それをする時間もなかったので自己添削で書類は書き上げました。
それから約1ヶ月半後に書類審査通過の連絡をいただき、すぐさま6月中旬にある面接対策を始めました。というのも、面接があった6月は教育実習期間(面接日の前日が精錬授業の日)だったため、先取りして準備をしなければ対策ができなかったからです(実際、実習期間は面接準備に時間を割く余裕はありませんでした)。
面接に臨むにあたって、2つの準備をしました。
1つ目は協力隊経験者の話を聞くこと、2つ目は擬似面接を行ったことです。元協力隊の方にお話を聞いたのは、選考がどのような形で行われるかを聞いたのはもちろんありますが、それ以上に自分がなぜ今協力隊を目指しているのかを深掘りするために、任国での経験を聞かせていただきました。
そしてこの記事を編集していただいている、たけさんに面接の練習をお願いしてもう一度考え直すべき部分を洗い出し、マインドセットを行っていました。
②合格のポイントやアドバイス
協力隊の選考では就活や教採のように限られた採用枠をライバルと競い合うのではなく、要請内容とマッチする人材かどうかを判断しています。そのため合格数が採用予定枠を下回ることもあり、「〇〇をしたら合格する!」なんてものは正直ありません。
ただ、もしこれを読んでいるあなたが大学生で何か一つだけアドバイスをするとしたら、
「なぜ新卒が求められているか?」を考えること
をオススメします。
協力隊の平均年齢は28歳前後で、社会人経験を経て応募する人が約85%前後います。国際協力やボランティアの意義を考えても、新卒の学生より専門知識に長け、指導力や経験値のある社会人のほうが合格しやすいはずです。
でも毎年、一定数の新卒合格者がいます。それは「若いから〇〇が足りない」と分かっていても、「若いから〇〇ができる」の可能性にJICA側が期待しているからだと僕は思っています。どの年代にも必ずメリットがあるし、デメリットがあります。
例えば僕が聞いた話ですが、日本の学校で数年働いて協力隊に参加したある先生は、日本と現地のギャップに苦しんで心が折れ、任期途中に帰国してしまったそうです。日本の価値観に囚われすぎず、現地の文化に柔軟に対応しやすいのは新卒の方が得意なのかも?と思ったりします。
そんな感じで、自分が今立っている現在地をもう一度見直し、「なぜ新卒が求められているのか?」「今の等身大の自分で何ができるのか?」を理解することが大切かなと思います。
4)現在
2020年度1次隊として合格したので、今年の夏には任国であるバヌアツ共和国へ派遣される予定でした。
しかし新型コロナウイルスの影響を受け、今年度の活動は全て来年度へ延期となってしまいました。今後の状況次第で派遣中止の可能性もありますが、派遣への希望がある限りは国内待機をして、その時を待ちたいと思っています。
ただ、待機を1年間続けていても仕方がないので、学生時代ボランティアを行なっていた地元の小学校へお願いをして、現在は児童の学習や生活のサポートを行う補助教員として働いています。
担任や授業を持つわけではないので、毎日同じ児童と深く関わることはできませんが、学校にいる全ての教職員や全学年の児童と広く関わり、学校全体を俯瞰的に考えて学校全体のために仕事をする経験は、この立場でしかできないことだなと考えています。
先生の指導やそれに対する児童の反応を勉強しつつ、今後協力隊で派遣された時に少なからず役立っていく経験だと信じて、今は頑張っています。
将来的には日本で教員となって、子ども達が新しい時代を築いていく大人になっていけるような支援をしていきたいです。協力隊活動はその第一歩であり、充実した活動ができるよう、来るべき時に向けて準備をしていきます。
これからどんな未来が待っているのかはわかりませんが、どんな未来であってもGTPで学んだ臨機応変力を活かして、人生を楽しく生きていけたらいいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
いかがだったでしょうか?
青年海外協力隊も選択肢の1つ
と考えている方にとっても、
青年海外協力隊をこれから応募しようかどうか
悩んでいる方にとっても
応募を決めて、採用のための具体的な対策
を考え始めている方にとっても
とても参考になる内容だったのではないでしょうか?
私も老婆心ながら、大和さんが面接を受ける前に面接のお手伝いをさせていただきました。
私からも1つ、アドバイスをさせていただくとしたら、
どのような面接においても、
身近な人に頼んで、面接で話す内容を何度も聞いてもらう
ことをオススメします。他の人に話してみることで反応も見ることができますし、話してみることで、自分が話していることに対して、どこか自分自身でも
「違和感」
を感じるはずです。
この「違和感」がとても大切で、その違和感を見逃さず、深掘りをして、自分が違和感なく話せる言葉を選んでいく作業が必要です。
この「違和感」、自分だけでなく、
間違いなく面接官に伝わります。
「違和感」はどこか自分の言葉でないので、フワッとしていて、口調や仕草、目線などにも現れます。
違和感はすなわち、自分の中の見つめ直すべきところだとも言えるので、ぜひいい機会だと捉えて実践していただきたいなと思っています。
コロナの影響で渡航が延期になっている大和さんですが、その笑顔、バヌアツ??の子ども達にも届けてくださいね!!!
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